渋谷を活動拠点にするトレーナーチームShibuya Fitness Sharezの岡林保憲です。
10月30日に放送された「深イイ話」の中で、スケジュール真っ黒と言われているフィットネストレーナーとして山口絵里加さんが取り上げられていました!
私たちトレーナーからすると本当にうれしいことです。活躍されているトレーナーが取り上げられることによって、ちゃんと仕事として成り立っていること、そして夢が持てる職業だと思って頂ける機会が少しでも増えればと思っています。
一方で、「頭の中まで筋肉なんでしょ」というイメージを持たせたいのか、そういう扱いをされる番組も残念ながらあります。
そこで、2回に分けて以下の点についてお話したいと思います。
- 美コアメソッドが具体的にどのような効果を期待できるのか?
- インストラクターという仕事で生きていくためには?
プライベートジム・スタジオを経営しながらパーソナルトレーナーとしても活動する私、岡林保憲が解説させて頂きます。
目次
美コアメソッドの効果
まずは効果の前に今回密着した概要について公式サイトより。
今、最もスケジュールが真っ黒と言われるフィットネストレーナー「山口絵里加」に密着!
抜群のプロポーションを誇る彼女が唱えているもの…
それは『美コア』と呼ばれる彼女自身が考案した美ボディメソッド。
彼女のレッスンを受ければ、
わずか1か月で見違えるほどの美脚に生まれ変わる。
日本のみならず、海外からもレッスンを受けたいと問い合わせが来るほど。しかしそのレッスンはまさに「地獄」だった!
生徒たちを追い込んで、追い込んで、さらに追い込む地獄のようなトレーニング。中でも特徴的なのは、手を伸ばし前傾姿勢で行う30秒間の高速ステップ、
更に、畳み掛けるようにジャンピングスクワット。
「もっと速くもっともっと!」「自分に甘えない!」「続けるのは自分次第!」
「続ける?やめたい?」等の台詞で生徒たちを煽る姿はまさにドSの極み。ハワイ、福岡の女子校、東京各所…様々な場所に飛び回り、移動は常にダッシュ。
1日休みがない多忙なストイックライフを過ごす彼女。
そんな彼女の元にはお客さんだけでなく、現在70人のお弟子さんが集まる。
弟子にも厳しく、生徒にも厳しくするのにはある理由があったから。
そんな彼女の深イイ話とは?引用元:日テレ公式サイト
これだけを読むと、憧れのインストラクターや、ストイックすぎるイメージが先行し、少し遠い人のように感じてしまうと思います。ただ、現在29歳の彼女も最初は福岡で1人のパーソナルトレーナーとしてキャリアをスタートさせています。
そこから美コアメソッドを開発し、24歳で単身上京。おそらく死に物狂いで自分自身と美コアメソッドの売り込みをされたのだと容易に想像ができます。だからこそ今の姿があると思います。私も昨年3月に独立し、6月にaxis mishukuをオープンした際は、同じように生きるか死ぬかの境遇を味わいました。
美コアメソッドは高強度インターバルトレーニングを用いたメソッド
スクワットや腹筋といった体のコア(体幹)を刺激するエクササイズ等と、上記のような高速ステップをそれぞれ30秒間、10秒程度の休憩をはさんで60分間とにかく動く。これが美コアメソッドで行うことのようです。最近美人アスリートモデルとして活躍されているayaさんが行っているクロスフィットも同じような考え方です。
これはトレーニング手法の中で、高強度インターバルトレーニング(HIIT:High Intensity Interval Training)と呼ばれるもので、以下の効果が期待できます。
- 短時間の運動で脂肪燃焼効果
- 有酸素運動と異なり、筋力を維持しながら脂肪燃焼
- アフターバーン効果
まず1と2が期待できる根拠としては、
- 30秒という短時間で高い負荷を体にかけることによって心拍数が上昇
- 10秒休憩する間にある程度息が整い心拍数が減少
- さらにまた30秒間負荷をかけることで心拍数が上昇
この連続性が心拍数を脂肪が燃焼しやすいとされるゾーンにとどめることができます。これ以上の強度の場合、常に息が切れ、心肺機能向上を目的としたトレーニングになってしまいます。この点は話すと長くなるので、私のこちらのブログの後半部分をご参考ください。→アシュタンガヨガ・ヴィンヤサヨガとは?どんな運動効果が期待できる?
アフターバーン効果とは?
そしてなにより3のアフターバーン効果が大きいです。
アフターバーンエフェクト=運動後過剰酸素消費量というもので、高強度の運動後には代謝が加速するため、体が通常より多くのカロリーを燃焼する状態が一定時間継続するという現象です。
つまり、傷ついた体が元の状態に戻るために必要なカロリー消費が促進される、ということです。運動終了後1時間が最も効果が大きく、10~72時間持続し、運動の強度と種類によっては基礎代謝を約10%向上させることもあるようです。
例えば以下のようなことです。
基礎代謝:1,500kcal
アフターバーン効果(基礎代謝の10%):150kcal
持続期間:72時間
合計アフターバーン効果:450kcal
トレーニング時に消費したカロリーとは全く別に、72時間(3日間)の合計ではありますが何もしていないのに450kcal消費できるということです。これは1時間ランニングするのと同等のカロリー消費量です。
効果は出やすいが、その分怪我につながる確率は高い
このように、高強度インターバルトレーニングは効果が出やすく、実際に私もパーソナルトレーニングでよく用いる方法です。
ただ、高強度と名前についてある通り、負荷が高いため、以下の2点が非常に重要です。
- 正しいフォームでできていること
- 使っている筋肉をしっかり意識できていること
我流で行ってしまっていたり、どの筋肉を意識して行うかがわからなったりすると、膝や腰等の痛み、筋肉の肉離れといった怪我につながりやすいです。必ず実施するときはインストラクターの指導の下、痛みを感じた場合は無理せず中断し、なぜそこが痛いかの原因を追求し、修正しながら再度チャレンジすることをおすすめします。
単純に腹を立ててほしい。『やってやる。今日もやってやるぞ』っていう、
私に対して毎週のレッスン全てライバルだと思ってほしい。
厳しく接することで、憧れから対抗意識に変えさせる。
その、闘争心こそが理想の体型を手にする秘訣引用元:日テレ公式サイト
確かにこういう心構えになれる方は良いと思いますが、運動が習慣化できていない方や運動が久しぶりの方には正直少し難易度と強度が高いと思います。どうしても美コアメソッドをやってみたい!という方は、まず筋力トレーニングで筋肉と正しいフォームを身に付けてからチャレンジしてみてください。その際は私も1からフォームの習得等お手伝いさせて頂きます。
ステーキ800g、鶏肉600g、パンケーキを食べても48kgを維持できる理由
山口絵里加さんは常時48kgの体重を維持されているようです。そして食事は大食いで上記のような食事をされるようです。
「美コアメソッドをやればそんなに食べても体型維持できるんだ」
と思った方、それは間違いです。
山口絵里加さんは番組内にもあったように自ら美コアメソッドのレッスンを多い日で1日5回、休みはなし、毎日数本はレッスンを行っているようです。
もうお分かりですよね?
単純に消費カロリーがとてつもないんです。消費カロリーが摂取カロリーを上回れば理論上は太ることはありません。だからあれだけ食べても体型を維持してられるのです。くれぐれも真似しないようにとだけお伝えさせて頂きます。
まとめ
- 山口絵里加さんは29歳にして自らの力と美コアメソッドでトレーナーとして確固たる地位を築いているが、元は1人のパーソナルトレーナーからキャリアをスタートしている。
- 美コアメソッドは筋力を維持しながら脂肪燃焼が期待できる高強度インターバルトレーニングの手法を用いており、トレーニング後のアフターバーンエフェクトもあり、効果は得られやすい。一方で正しいフォームと筋肉への意識ができていない場合は怪我につながりかねない。
- 美コアメソッドをやったから食事を気にする必要がないわけではなく、山口絵里加さんは毎日2~5本レッスンを行っているため消費カロリーが尋常ではない。消費カロリーが摂取カロリーを上回れば理論上太ることはない。
次回は山口絵里加さんのようにインストラクターを仕事として生きていくためにはについて、私のフィットネスクラブでの勤務経験と、スタジオ経営の視点からお話しさせて頂きます。
余談ですが、美コアのホームページが放送後にアクセス集中のためサーバーダウンしてしまったようですね。すごい関心度!!
ちょっとトレーニングはじめてみようかな、と思われた方は是非一度Sharezまで体験にお越しになってみませんか?正しくトレーニングができるようにトレーナー一同全力でサポートさせて頂きます!みなさまのお越しをお待ちしております。